IZUBI紹介記事


作品のキャプションとして展示されていたようです。




ご当地の新聞に入賞者が連載された記事のようです。
私の作品紹介ではとってもすばらしい文章で
紹介して下っており、恐縮すると共に、感動いたしました。
写真では、少し見にくいので書き写します。



兵庫県加西市の五百羅漢は江戸期の石仏として知られている。

長年の風雪に耐え、苔生(こけむ)しつつ、人びとの生死(しょうじ)のさまを
見守って佇(たたず)む石の仏たちである。

かつてこの石仏群を拝して心うたれた作者は、その心象風景を、
村外れの野に月光を浴びて佇む一体の野仏として描きだす。

シダ、ドクダミ、コスモスなど草花が咲き乱れ、
羅漢のわびしげな姿を慰めるかのような情景に寂寥(せきりょう)が漂う。

野仏が無言のうちに語りかけるのは諸行無常、生命(いのち)あるものの
「果敢無(はかな)さ」だろうか。

繊細な筆致と抑制された彩調に風趣がある。 
                                林紀一郎(美術評論家)